其之肆〜舞神文字誕生秘話〜
2K7.2.22
1人インタビュー
God-Bossが造り上げる新感覚フォント“舞神文字”。今回彼は貴重な時間を割いて、その誕生秘話を語ってくれた。
レポーター(以下“レ”):さて、今回God-Bossさんは舞神文字の製作に取り掛かられた訳ですが、その心境はどの様なものだったのですか?
God-Boss(以下“GB”):そうですね‥私は常日頃から自作のエンターテイメント、つまりネタを求めています。まぁ対象はその時々でコロコロ変わるのですが、今回はそれがフォントだった、といった所ですか。
レ:成程‥つまり端的に言えば“思い付き”であった、と?
GB:いえいえ、構想自体は前からあったんですよ。只今迄はそれを実行に移す環境に無かったから、そして今ようやく整ったから携わっているんです。
レ:環境‥ですか。
GB:ええ。具体的にはPCとスキャナですね。
レ:では環境さえ揃うなら、他にも実行に移したい案がある‥という事ですか?
GB:その通りです。
レ:参考迄に聞かせて頂けますか?
GB:それは‥まぁ、企業秘密という事で。(笑)
レ:そうですよね。(笑)立ち入った事を尋ねて申し訳ありませんでした。では、話題を戻しましょう。舞神文字はその独特の略し方が、1つの売りである筈です。あれは総て貴方が考えられたものですか?
GB:基本的にはそうですね。只、参考にしたものも勿論存在します。これは舞神文字の誕生とも関わる事なのですが。
レ:‥と言うと?
GB:ほら、“門”を“内”みたいに略す人が、時々いるじゃ無いですか。要はあれですよ。私はこれを見た時まだ小学生だったのですが、それでも鮮明に思い出されます。あの手法はとても印象的‥いえ、革命的でしたね。他にも挙げて行けばキリが無い位、参考にした書き方はありますよ。
レ:そうですか‥その様な幼い頃の素晴らしい体験が、舞神文字を生み出しているのですね。
GB:まぁそういう事ですね。
レ:そういえば、あのサイトにも“最初に描いた文字”という印象的な文がありました。何でも“舞”は貴方のお気に入りだと言う事で。
GB:ええ。他にも靂や轢、麟、獄‥好きな字は沢山あります。
レ:今挙げられているものを窺う限り、貴方の好きな字は画数が比較的多い字の様です。では逆に少ないものは‥?
GB:嫌い‥と迄は行きませんが、確かに描き辛くはありますね。
レ:それは何故ですか?
GB:先程貴方も仰った様に、舞神文字の特徴はその略し方にあります。その上で、やっぱり画数が少ないと略せる箇所も限られて来る訳です。すると余り個性が発揮出来無い‥と。まぁ例外もあるんですがね。兎に角、画数が多い程描き易くなるのは間違いありません。
レ:やはりそれは作業スピードにも影響するものですか?
GB:それ所か、作業スピードを左右すると言っても過言では無い程です。
レ:平均すると、日にどれ位‥?
GB:まぁ大体10字前後ですかね。
レ:その際心掛けている事等はありますか?
GB:そうですね‥筆圧をなるべく一定にキープする事でしょうか。他にも、4字程描いた後は自主的に休む様にしていますね。
レ:成程‥体調管理は重要ですからね。
GB:まぁそんな大袈裟なものでは無いんですが。(笑)それに、気を付けていても腕はすぐに痛くなるんですよね。まぁ管理出来ていない証拠、という事で。
レ:いえいえ‥おっと、時間が迫って来ました。それでは慌ただしくて恐縮ですが、最後の質問に参ります。貴方は自身の描かれた舞神文字を、インターネット上で公開されています。これにはどういった意図があるのでしょうか?
GB:現代の情報化社会に於いて、PCは最早欠かせない存在となりつつあります。そこで必ず目にするであろう文字‥これがフォントですよね。確かにPCは便利なもので、どんな文章でも書く事が出来ます。しかし、それが次第にデフォルトフォーマットとなり、形骸化しつつあるのが現状です。私はこれをどうしても避けたいと思ったのです。例えばアメリカでは“プライベートメールは手書きで送る”という風習があります。あれだけ情報化が進んだ社会で未だにそれが残っているという事は、やはりそれだけ手書きの文字が与える印象や及ぼす影響は、今尚大きい訳ですよね。私は平仮名、片仮名、そして漢字を器用に使いこなすこの日本に生まれた事を誇りに思っています。出来れば皆さんにもこの気持ちを持って貰いたいと考え、こうして公開しているのです。私の描いた舞神文字を気に入り、使って貰えるならば、こんなに嬉しい事はありませんね。
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