其之弐〜舞神文字〜
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漢字マニア
私は何を隠そう、生粋の漢字マニアです。現行では平仮名で書くとされている副詞や接続詞を態々漢字で表記したり、そして何と言っても自分で新しいフォント“舞神文字”を作成する位ですから、その酔狂振りは充分伺える筈です。ここではその舞神文字を詳しく語る事にしましょう。
漢字の書順
さて、本題の舞神文字に移る前に、少し基本情報を整理しておきましょう。それは読み手である貴方の持つ漢字に対する認識の確認です。
我々は小学生の頃から漢字を習い始めます。その時の事を鮮明に覚えている人は恐らく極僅かでしょうが、それでも次の様な事を言われた覚えは無いでしょうか。左は“一”から、右は“ノ”から書き始める‥と。つまりは書順の話です。
書順は日本政府が定めた“文字を描く為の順番”です。こう書くと知っている人からすれば曲解の様に感じられるかも知れませんが、取り敢えずここではその様に定義しておきましょう。何れにせよ我々は、幼少の頃よりみっちりと書順を身に付けされられた訳ですね。
右と左の差
しかし漢字の本場中国では、これらの扱いは少し違います。具体的には右も左も“一”から書き始めるのです。これは一体どういう事でしょうか。何故日本と中国で漢字の書順が違うのでしょうか。
現代の教育
種明かしをしましょう。実は、漢字は好きな所から書いて構わないのです。只単に“一”から書き始めた方が書き易い、“ノ”から書き始めた方がバランス良く書けるというだけであって、絶対にこの順番通りに書かなくてはならないといった、強制力を持った類のものでは無いのです。
現場の教育監督、つまり教師はこれを少々取り違えている節があり、書順はさも絶対的な基準であるかの様に教え込んでいます。勿論識っていて、その上で小学生にはファジーな部分迄理解出来無いだろうと踏んで、その様な教育法を執る人もいます。しかしながら、前者の方が圧倒的に多いのが現状です。
舞神の原点
長くなりましたが、要点だけ纏めると次の様になります。“書順は飽く迄1つの手本であり、元来的にはどの様に書いても構わない”。私はこれを最大限に利用し、自分なりの解釈をしてこの様に発展させました。“描いたものが一意に理解出来れば、どう略しても構わない”と。これが舞神文字の、言わばベーススタンスとなるのです。
名前の由来
誰しもに好みというものがある様に、私にも好きな漢字があります。その内の1つが“舞”であり“神”である訳です。そして更に、“神が舞う様な美しさを持った漢字”という意味も込めています。付け加えるなら、“舞”は私が初めて手掛けた文字である為、他の字には無い特別な思い入れもありますね。
舞神の法則
私の扱う舞神文字は、幾つかの法則の元で描き出されています。1つずつ解説して行っても良いのですが、そんな事をすると非常に面倒なので特徴的な部分だけ箇条書きしておきます。
・省略出来る箇所はなるべく省略する
・書順は自由に変更しても構わない
・一意の文字として認識し得るものにする
・文字としての荘厳さを失わないレイアウトを最優先する
他にも細かい決め事はありますが、取り敢えずはこんな所でしょうか。
常用漢字?
舞神文字の当面の目標は“常用漢字の制覇”です。この常用という括りは、私は余り好きでは無いのですが、一先ずのラインとして決めてあります。但し、描く順番は特に決めてありませんし、常用漢字外のものも描いてはいます。
"舞神文字"
舞神文字は私の中で存在する1つの解に過ぎません。ですから、他のフォントと同等に扱われるべき存在であって、それ以上でもそれ以下でも無いのです。閲覧者もその意図を汲んだ上で、出来れば気に入って欲しいものですね。
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